STP分析とは?SWOT分析と組み合わせるマーケティング戦略の基本 | FLASPO MAGAZINE

STP分析とは?SWOT分析と組み合わせるマーケティング戦略の基本

STP分析とは?SWOT分析と組み合わせるマーケティング戦略の基本

STP分析の基本:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング

「どんな人に、何を、どう伝えるか」を決めるのがマーケティング戦略の核心です。その設計に使われるのがSTP分析です。SWOT分析で全体戦略を決めた後、STP分析で「誰に・どうやって届けるか」を具体化することで、施策の精度が格段に上がります。

STP分析は、Segmentation(市場の細分化)・Targeting(ターゲットの選定)・Positioning(自社の立ち位置の設定)の3ステップで構成されるマーケティング戦略フレームワークです。

Segmentation:市場を年齢・地域・趣味・ニーズなどの基準で細分化する。Targeting:細分化した市場の中から狙うべきセグメントを選ぶ。Positioning:選んだターゲット市場の中で「自分たちがどういう存在か」を明確にする。この3ステップを踏むことで、「誰にも刺さらないが誰かには当たる」という散弾銃型のアプローチから、「特定の誰かに確実に届く」狙撃型のアプローチに変わります。ビジコンの企画書では、STP分析があると「ターゲットを考えた上での提案」という評価が上がります。

クロスSWOT分析まで進めると、SWOT表は単なる現状記録から「次に何をすべきか」を示す設計図へと変わります。まずは身近なテーマで4要素を埋めることから始めてみましょう。

STP分析の具体的なやり方:ビジコン・マーケティング企画への応用

STP分析を実際に行う際の手順と、ビジコン・地域マーケティングへの応用例を紹介します。

市場を複数の切り口で細分化します。代表的な基準は①人口統計(年齢・性別・職業・収入)②地理(地域・都市規模)③心理(価値観・ライフスタイル・趣味)④行動(購買頻度・利用シーン・ロイヤルティ)。地方創生・地域活性化のテーマでは「移住希望者」「関係人口(地域に関わりたい都市在住者)」「インバウンド観光客」など複数のセグメントが存在します。

細分化した各セグメントを「市場規模」「成長性」「自社の強みとの一致度」「競合の少なさ」の4軸で評価し、最も優先すべきターゲットを選びます。SWOT分析のSO戦略(強みを活かして機会を取る)と連動させると、自然なターゲット選定になります。

選んだターゲット市場の中で「自分たちは何者か」を明確にします。「競合AはXの訴求、競合BはYの訴求をしているのに対して、自分たちはZで差別化する」という構造で書きます。ポジショニングマップ(横軸・縦軸に特性を設定した2×2図)を使って視覚化するとビジコン資料として分かりやすくなります。FLASPOのコンテスト向け提案でも、ターゲットとポジションを明示した提案が評価されます。

STP分析を就活やビジコンで活用する際は、分析対象の「範囲を絞る」ことが出発点です。「自分全体」や「会社全体」という広すぎる対象は情報が散漫になり、戦略に使いにくくなります。「この選考に向けた自己分析」「このビジコン課題への提案」のように具体的に絞ることで、精度の高い分析ができます。

SWOT分析→STP分析の流れ:戦略から施策へ落とし込む手順

SWOT分析とSTP分析を組み合わせることで、「全体戦略(SWOT)→誰に・どう届けるか(STP)→具体的な施策(4P)」という一貫した戦略設計が完成します。

STEP1:SWOT分析でSO戦略(強みを活かして機会を取る方向性)を設計する。STEP2:SO戦略で狙う「機会」がどの市場・顧客層に関連するかを特定する。STEP3:その市場をSTP分析でセグメント化し、最も有望なターゲットを選ぶ。STEP4:選んだターゲットに対して競合との差別化ポジションを設定する。

SWOT分析のSO戦略:「地域の有機農産物の強みを活かして、健康志向消費者という機会を取る」。STP分析:S(健康志向消費者を年代・居住地・購買行動で細分化)→T(30〜50代の都市圏在住・オーガニック食品購入経験ありの層を選定)→P(「生産者の顔が見える・農薬不使用・地域体験付き」というポジションで差別化)。このように連動させることで、戦略が具体的な施策レベルまで落とし込まれます。

自分をSTP分析の対象にすることも可能です。S(業界・職種を細分化)→T(自分の強みが最も活きる業界・職種を選ぶ)→P(その業界・職種で「自分はどういう人材か」を明確にする)。志望動機の論理構造として使えます。

「STP分析の理解が浅いまま表を埋める」という失敗を避けるためにも、まず目的と対象を明確にしてから手を動かしてください。「何のために分析するか」が決まれば、各要素に書く情報の方向性が定まり、クロスSWOT分析への接続もスムーズになります。

STP分析で差別化を設計する実践ポイント|ターゲット選定の落とし穴

STP分析を実践で使う上でよくある失敗と、それを防ぐための具体的なアプローチを紹介します。

よくある失敗の一つ目は「分析対象が広すぎる」ことです。「会社全体」「地域全体」という漠然とした対象では、情報が散漫になり使えない表になります。「この事業の新規顧客獲得」「この地域の農業観光」のように具体的に絞ることが精度を高める第一歩です。

二つ目は「強みを過大評価すること」です。「コミュニケーション力がある」という記載は強みになりません。「3人以上のチームマネジメント経験が2件ある」「関係者20名のイベントを主導した」のように、比較可能・検証可能な形で書くことが必要です。

三つ目は「外部環境の主観的な解釈」です。機会・脅威は「自分たちに都合のよい情報だけを集める確証バイアス」が働きやすい領域です。PEST分析やRESAS(地域経済分析システム)などの客観的なデータを使って外部環境を整理することで、分析全体の信頼性が高まります。

また、一度完成した分析を時間をおいて見直すことも有効です。最初は見落としていた要素が後から見つかることも多く、ドラフト→見直し→修正という二段階で進めることが実践的なアプローチです。分析対象が変わっても同じステップが使えるため、繰り返し使うことでスキルとして定着します。

よくある質問(FAQ)

Q: STP分析とSWOT分析はどちらを先にやるべきですか?

A: 一般的にはSWOT分析→STP分析の順番が推奨されます。SWOT分析で「どの方向に戦略を向けるか」を決めてから、STP分析で「誰にどう届けるか」を設計するフローが論理的です。ただし、STP分析で「このターゲットには自社の強みが刺さりにくい」という気づきがあれば、SWOTに戻って戦略を見直すこともあります。

Q: ターゲットの選び方(Targeting)で迷います。複数選んでいいですか?

A: リソースが限られている場合は、最初は1つに絞ることを推奨します。特にスタートアップ・学生チーム・ビジコンの提案では「一点集中」のほうが施策に一貫性が生まれ、評価されやすいです。市場規模と自社強みとの一致度が最も高いセグメントを最優先ターゲットとして選びます。

Q: ポジショニングマップの軸はどう決めればいいですか?

A: ターゲット顧客が「購買判断において最も重視する2要因」を軸にします。食品なら「価格の安さ」と「健康志向の高さ」、観光なら「費用」と「体験のユニークさ」など。軸を設定した後、競合他社を配置してみると「まだ誰も占領していないポジション(空白地帯)」が見えてきます。そこが自分たちの差別化ポジションの候補です。

STP分析を学ぶ上での疑問は、やってみることで具体的になります。最初から完璧を目指さず、「とりあえず書く→見直す」という流れで進めてみてください。

Q: STP分析の「ポジショニング」と「ブランディング」の違いは何ですか?

A: ポジショニングは「競合と比べた自社の立ち位置を設計すること(戦略)」、ブランディングは「そのポジションを顧客に認知・信頼してもらうための継続的な活動(実行)」です。ポジショニングが戦略の「設計図」なら、ブランディングはその設計図を現実に構築する「施工」にあたります。

Q: STP分析はBtoBビジネスにも使えますか?

A: 使えます。BtoBでは企業規模・業種・購買決定者の役職などでセグメント化します。「大手製造業の調達担当者」「地方の中小食品メーカーの経営者」のように具体的なターゲット像(バイヤーペルソナ)を設定することで、提案の精度が上がります。

Q: ビジコンでSTP分析を企画書に含める場合、どれくらいの分量が適切ですか?

A: 通常1〜2スライドが目安です。セグメンテーションの基準(1〜2行)、ターゲットの定義(具体的な人物像・規模感)、ポジショニングマップ(図1枚)という構成が読みやすいです。詳細なデータより「なぜこのターゲットを選んだか」の根拠の説明に重点を置くと、審査員に伝わりやすくなります。

現状を把握するだけでなく、そこから戦略を導けるところにSWOT分析の実用性があります。4要素を書き出したら、クロスSWOT分析で戦略の方向性を言語化するまでを一連の作業として進めてください。

FLASPOでは、全国の地方創生コンテストや地域課題に挑戦できる機会を提供しています。SWOT分析で培った思考力を、ぜひ実際の提案の場で試してみてください。


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