外資系のESはなぜ他企業より難しいと感じるのか
外資系企業のESに取りかかると、日系企業とは書き方の勝手が違うと感じる学生は少なくありません。設問の数は多くないのに、何を書けばよいのか掴みにくいという声もよく聞かれます。
理由のひとつが、問われている内容の性質です。人柄や熱意だけでなく、何ができるのか、どんな成果を出してきたのかが正面から問われます。抽象的な自己PRでは、読み手が判断できる材料になりません。
字数の制約も難しさを生みます。設問ごとの分量が短く設定されていることも多く、限られた文字数で状況、行動、結果まで収める必要があります。書きたいことを全部詰め込もうとすると、どれも中途半端になります。
職種ごとに募集が分かれている点も影響します。総合職としてまとめて採用する形とは違い、応募する職種に合わせて書く内容を変える必要があり、その分だけ準備の手間が増えます。
英語での記入を求められる場合があることも、心理的な負担につながります。ただしこの点は、日本語で筋の通った内容を作れていれば、後から訳す作業として整理できます。
提出時期の早さも見落とせません。大学3年の夏には締切を迎える企業もあり、自己分析や企業研究が固まらないまま書き始めることになりがちです。時間の制約そのものが難しさの一因になっています。
外資系のESで評価されるポイント
まず見られているのが、論理的に組み立てる力です。結論から述べ、理由と具体例を続ける。この順序が守られているかどうかで、読み手の理解しやすさは大きく変わります。
次に、成果を具体的に示せているかという点です。何人のチームで、どんな状況で、何を担当し、どう変わったのか。数字で示せる部分があれば添えると、規模の大小にかかわらず輪郭がはっきりします。
行動の理由まで書けているかも重要です。何をしたかだけでなく、なぜその方法を選んだのかが書かれていると、判断の質が伝わります。面接での深掘りにも耐えられる内容になります。
企業への理解が反映されているかも見られています。事業内容や職種の実態を踏まえた内容になっていれば、応募先を絞って考えた形跡として受け取られます。
自分の言葉で書かれているかという点も侮れません。就活本の言い回しをそのまま並べた文章は、読み手にはすぐ分かります。多少ぎこちなくても、自分の経験から出た表現のほうが印象に残ります。
一貫性も評価の対象です。設問ごとに書いた内容が噛み合っていないと、印象が散らばります。何を軸に自分を伝えるのかを決めてから書き始めましょう。
外資系のES頻出設問とその意図
「なぜ当社を志望するのか」は定番の設問です。ここで問われているのは、その企業を選ぶ理由が他社と入れ替え可能でないかどうかです。理念への共感だけを書くと、どの企業にも当てはまる内容になります。
組み立てる際は、「その業界でなければならない理由」と「その企業を選ぶ理由」を分けて考えると整理しやすくなります。前者だけでは競合でも成り立ち、後者だけでは業界理解が浅いと受け取られかねません。
「学生時代に力を入れたこと」では、成果そのものより、課題にどう向き合ったかが見られています。状況、課題、行動、結果という流れで書くと、読み手が経緯を追いやすくなります。
「困難を乗り越えた経験」を問う設問も頻出です。うまくいかなかった局面で、原因をどう分析し、次の行動をどう変えたのか。この振り返りができているかが評価の分かれ目になります。
「チームで成果を出した経験」では、集団の中での自分の役割が問われます。全体の成果を自分の実績のように書くと、担った範囲が曖昧になります。何を受け持ったのかを明記しましょう。
「入社後に何をしたいか」を問う設問もあります。ここでは、職種の実態を踏まえた内容になっているかが見られます。募集職種と噛み合わない希望を書くと、調べていない印象を与えます。
外資系のES作成における実践的なコツ
書き始める前に、経験を一覧に書き出しておきましょう。時期、役割、取り組んだこと、結果。この四項目で並べておくと、設問ごとにどれを使うか選びやすくなります。
使うエピソードは、多くても二つか三つに絞りましょう。あれもこれもと詰め込むと、それぞれの説明が浅くなり、結局どんな人物なのかが伝わりません。
企業ごとに調整する作業も欠かせません。同じ経験でも、重視される職種や事業内容によって強調すべき点は変わります。募集要項に書かれた業務内容や求める人物像を読み込み、対応する部分を前に出しましょう。
使い回しは避けるのが原則です。作成後、企業名を差し替えただけの文章になっていないか読み返してみてください。応募先の事業内容に触れている箇所があるかどうかが、判断の目安になります。
文章は削ることを前提に書きましょう。まず思いつくまま書き出し、後から不要な修飾や重複を落としていくと、要点が残ります。同じ内容を言い換えて繰り返している箇所は真っ先に削れます。
一文が長くなりすぎないよう気をつけることも大切です。接続詞でつなぎ続けると論点が埋もれます。一文に情報をひとつ入れる感覚で区切ると、格段に読みやすくなります。
書き上げたら、声に出して読み返してみてください。話すと長すぎる、抽象的すぎるといったズレに気づけます。面接ではESの内容をもとに質問されるため、口頭で説明できる状態にしておくことが大切です。
第三者に読んでもらうことも有効です。キャリアセンターや先輩に見てもらうと、自分では伝わるつもりでも前提が抜けている箇所が見つかります。
英語で書く場合は、ネイティブスピーカーや英語に堪能な人に添削してもらいましょう。表現の自然さに加え、ビジネス文書として適切かどうかも確認してもらえると安心です。
提出前には、誤字脱字、指定の形式や字数、他社名の残留を確認しておきましょう。時間を置いてから読み返すと気づきやすくなります。締切は企業ごとに一覧にしておくと管理が楽になります。
外資系のESに関するよくある質問
最後に、就活生からよく寄せられる質問をまとめました。
Q. 派手な実績がないと通りませんか?
規模の大きさより、課題の捉え方と行動の順序を説明できるかが重視されます。ゼミやアルバイトの経験でも十分な材料になります。
Q. ESは英語で書く必要がありますか?
企業によって異なります。日本語のみの企業も多いため、募集要項で提出形式を確認しておきましょう。
Q. 複数社で同じエピソードを使ってもよいですか?
同じ経験を使うこと自体は問題ありません。ただし応募先に合わせて、強調する点や結び付け方は調整しましょう。
書いたESは、第三者が読んでも状況や成果が伝わるかを確認することが大切です。自分では当然だと思っている前提が抜けていることも多いため、背景、課題、行動、結果の流れが一読で追えるかを見直しましょう。
また、同じ経験でも応募先によって強調する点は変わります。コンサルなら課題の整理と打ち手、ITなら技術やプロダクトへの関心、金融なら数字への向き合い方というように、企業研究で得た情報と自分の経験を結び付けて調整しましょう。
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