<第8弾>FLASPO × SMOUT"推し地域の魅力"エッセイコンテスト 投稿エッセイ作品を大公開! | FLASPO MAGAZINE

<第8弾>FLASPO × SMOUT”推し地域の魅力”エッセイコンテスト 投稿エッセイ作品を大公開!

若者が「自分だけが知る“推し地域”」の魅力を自由に綴ることを通じて、地域と若者・企業がつながる機会を生み出すエッセイコンテストを、2025年7-8月にFLASPOと地域とつながるプラットフォーム「SMOUT」 が共同開催!
全国各地から合計70以上の”推し地域”をテーマとした作品が集まりました!

そこで、第8弾の今回も、惜しくも受賞しなかった素晴らしい作品たちをご紹介します!

読むと、地域に関わりたくなる、自分も地域の魅力を言葉にしたくなる、心に残る作品ばかりです!

※コンテスト概要はこちら👇


<エッセイ紹介>

(36)「生活から「生きる」を学んだ与那国町」(ペンネーム:Shiii)

大学院のフィールドワークの一環で与那国町を訪れました。福岡から飛行機を乗り継ぎ、プロペラ機(JAC)で与那国町へ。これがかなり揺れました。

現地では、道路を走る車の隣には馬が歩いていたり、のんびりと草を食べて好き放題に糞をしていたりととんでもなく自由な光景にまず惹かれてしまいました。島には医療機関が1箇所しかなく、お医者さんも1人だけ。緊急時は石垣島まで搬送されているとのことで、高齢化が進んでいる町にとって医療体制は喫緊の課題だと痛感しました。

漁港では、ガタイの良い若い男性から高齢の男性まで獲れたてのカジキマグロを選定し、捌いている情景を見ました。漁師さん曰く、カジキマグロには角があるためとても危険で、命をかけて漁をされているとのことでした。町中を散歩していると、コンビニはなく小さな商店で食べ物が割高で売られており、数日に一度品物が船で輸送されてくるようです。台風前は輸送船もなく、いつ商品が輸送されてくるか未定の状況。ホテルなどの宿泊施設は撤退したため、民泊利用が基本で、予約で多く埋まっているような状況もあるとのことでした。シビアな話にはなりますが、のどかな島内に自衛隊の駐屯地があり、台湾有事の危険性を肌身を持って感じました。

ーでは、私がなぜ「与那国町」を推し地域に選んだのか。

率直に「生きるのが辛くなったらここに必ず来る」と思ったからです。野生動物が人間の干渉なしに自由に過ごしている様子や、医療体制や漁師の高齢化、島内の食料等の供給については厳しい側面を持ちつつも「一時を生きる」ことに貪欲である様子に、たかが一滞在者の私ですが「ありのままを生きる」素晴らしさを実感しました。

また、住民の方々、子どもたちとも交流する中で、何にも追われていない穏やかさを感じました。私は今まで何に追われていたのだろうか、ゆっくり考えればいいのではないかと島の方々から学ばせていただきもしました。

生きるのが辛くならなくても、「自分の生き方」を再確認するためにふらっと足を運びたいです。

推し地域= 与那国町

「一番美味しい草を見つけた人が優勝ね!」

(37)「知らない人同士の優しい十戒がみられる場所」(ペンネーム:なお)

九品仏駅とは、私が26年暮らした実家の隣の駅で、中学校から私立に通っていたので、通学はもちろん、出かける時はアクセスの良い自由が丘駅に向かうためにほとんど毎日通り続けた駅です。

九品仏駅は、今は使われていないホームが未だにそのまま立っており、現在使われているホームの間は踏切があり、分断されている。

そのため、ホームが電車より短く、電車の最前車両や最後車両は九品仏駅に到着してもドアが開かず下車することができない。

九品仏駅が通る東急大井町線には「この車両は九品仏駅では開きません」と車両に注意書きがある。

もちろん地元民は周知の事実だが、普段九品仏駅を利用しない人にとってはその注意書きが目に入らず、時々九品仏駅に着いたのに開かないドアに慌て出している光景を目にする。

地元民はそれもよくあることなので、みんなそんな人に教えてあげるし、おりそびれそうな人への救済チームワークがすごい。

その人が下車できるように、モーセの十戒よろしく素早く通り道ができる。それを察した、ドアが開いている車両の人は、開いているドアから手足を出してドアを開け、本当はいけないのかもしれないが、時間を稼いだりする。

車両は全員知らない人だが、定期的にこの現象で出会しているため、その点この事案についてはほぼ全員知っている華麗なる連携が見られる。

そして無事下車できた人は大体車両に向かって何度も頭を下げたり、大きく手を振って感謝を伝える。

車両側の地元民は慣れっこなので、そっと微笑みながらまた携帯電話などに目を落とす。

過度に盛り上がらないのも実に東京っぽい。

よく冷たいと揶揄される東京人だが、少し冷静な中の人の優しさを感じる人情劇を見ることができる。

私はそんな九品仏駅がとても好きなのである。

九品仏駅を利用する時は、端の車両に乗らないでくださいね。

推し地域=東急大井町線九品仏駅

「人々の優しさが連携する場所」

(38)「パスポートいらずの圧縮された世界」(ペンネーム:いつかいちくん)

言わずと知れた半年間限定の観光地、「大阪関西万博」会場が、私の推し地域である。既に9回訪問しており、半数近くのパビリオンを堪能した。
推しの理由はいくつかあるが、一番の大きな理由は、大屋根リング内で圧縮された世界をリアルに体験できる点にある。
世界最大の木造建築物「大屋根リング」を抜けると、そこには海外パビリオンが無数に立ち並んでおり、パビリオンを見るだけで異国情緒感を味わえる。
実際にパビリオンの中に入ってみると、海外から来たネイティブのスタッフが陽気なテンションで出迎えてくれ、
パスポートいらずの海外へ連れてってくれる。パビリオンにもよるが、展示物をひたすら置いている国もあれば、スクリーンを用いてその国の過去から現在、
更にはその先の未来について映像で伝えてくれる国もある。その中でも筆者のお気に入りなのが「インドネシア」パビリオンで、
中に入ると早速熱帯雨林のジャングルと滝にお目にかかれ、その後、未来の首都「ヌタンサラ(現在のジャカルタから遷都予定)」の都市模型、さらにはインドネシア人のリアルを描いた
ビデオ映像を映画館のようなシアターにて鑑賞できるのだ。
ネイティブのスタッフ曰く「パスポートいらずのインドネシアをここ大阪で体験できる!」と。。

今、物価高の影響もあり、海外渡航はややハードルが高い。
ただ、万博のパビリオンの中に入れば、パスポートいらずの異国情緒溢れる世界をリアルで体感することが出来るのだ。
残り閉幕まで1か月半あまりであるが、是非訪れてみてはいかがだろうか。

推し地域=大阪市 大阪関西万博会場

「異国情緒感あふれるヤシの木と大屋根リングの曲線美」

(39) 「三月の八丈ブルー」(ペンネーム:まろりん)

東京から約三百キロメートル南に位置するひょうたん型の島で、かつては「東洋のハワイ」と呼ばれていた地、それが八丈島だ。
丸の内OLとして働き始めて四年が経ち、少し東京に疲れてきた春先、新卒の男の子が彼の出身地である八丈島について、朝礼でスピーチをしていた。小麦色の肌に無骨な雰囲気の彼は、島にはコンビニすらないが、「八丈ブルー」と呼ばれる美しい海や満点の星空が魅力だと言い、癒しを求めていた私は友人を誘って旅をすることにした。
八丈島へは羽田から直行便が出ていて、一時間弱のフライトで着いてしまった。空港を出ると、青々とした末広がりの山と等間隔に並んだヤシの木がこちらを見下ろしているだけで、高い建物は一切ない。この光景だけ見たら、ここがハワイだと言われても信じてしまうかもしれない。
まずは、太平洋を一望するため海岸へと向かう。道中で比較的大きなホテルを見つけたが、ガラス越しに見えるフロントの電気は付いておらず、宿泊客はおろか従業員すらいない。自動ドアは少し開いていて、「イタチが入るので閉めて」と書いたダンボールが貼られている(イタチがどんな生き物かは、あまり覚えていない)。ホテルの裏手を歩くと、しばらく水が張られた様子のない大きなプールがあった。底にはウミガメの絵が書いてあるが、水がないからか、どこか寂しそうに見える。恐らくこのホテルは、かつて島が「東洋のハワイ」と呼ばれていた頃に栄華を誇ったものだろう。

しばらく歩いて行くと、碧い海が、激しく水しぶきを立てているのが見える。先客はおらず、木組みのベンチが私たちを待つようにひっそりと佇んでいた。二人でそこに座って、波が岩にぶつかって弾けて行く様子を眺める。二十五歳の私たちは、ティーンエイジの頃に感じていた全能感が、少しずつすり減っていく感覚を覚えていた。まるで、眼下の岩が長い年月をかけて、波に削られていくように。そんなことを考えていると、友人がポケットから小さな包みを取り出し、「恋愛のお守り」と、ローズクォーツと水晶でできた手作りのブレスレットをくれた。淡いピンク色のブレスレットは、八丈ブルーの海を背にキラキラと輝いて見えた。
私が八丈島出身の後輩に島でプロポーズされるのは、それから約一年後のことだ。後に知ったことだが、私が島を訪れた三月十七日は、彼の二十三歳の誕生日だったらしい。

推し地域=八丈島

「「八丈ブルー」と呼ばれる青色の海に向かって佇むベンチ」

(40) 「みどりの街 相模原市緑区」(ペンネーム:あひる けい)

人生で初めての一人暮らし。その舞台は「緑」の看板に偽り無し、自然たっぷり、相模原市緑区だった。
不安より期待の方が大きかった。実際、期待に応えてくれる街だったからだ。

当時住んでいたのは緑区の玄関口とも言える橋本。通っていた大学からは少し離れていたものの、三線が乗り入れる駅からは新宿や横浜まで1時間弱と交通の便がよかった。町田や八王子も近くどこに出るにも容易とあって、ベットタウンとしての人気も頷ける。
駅周辺には大きめの商業施設が三つ。買い物はほとんどこの辺りで事足りるというのだから、田舎者の私にとっては理解の及ばない世界だった。通販を使わずとも、車や電車に乗らずとも必要なものが手に入ることに驚いたものだ。地元で車はほぼ必須、大学生なのに車を持っている友人も少なくなかったので、カルチャーショックってコレのことなんだ!と見当違いの衝撃を受けた記憶がある。
そんなわけで私は免許を取ることもなく(近所に自動車学校があったのに)移動は徒歩か自転車が主だったれども不便は全くなかった。
とはいえ、車があればこの街をより満喫できただろうと少しの後悔が残る。駅からも見える山々の方面、あっちにはアウトドアを楽しめる大自然が広がっているのだから。

緑区の西側、城山の辺りまで足を伸ばすとずいぶん雰囲気が変わる。市街地もそれなりに緑は多いと思うけれど、なんというかこう……そんなの忘れるくらいに、緑一色って感じだ。
山々を背に広がるのは津久井湖。景色は最高、空気もいい。公園のベンチに座っているだけでも格別な時間で——実際の所はたどり着いたときにはいつも疲れていて味わうどころじゃなかったのだが。なにせ自転車でここまで来るには何度も坂を登り降りしなくてはならず、かなり体力と時間を消費する。どちらも有り余っている学生だったからできたことだったなあと思う。
近くの城山ダムでもよく休憩していた。夏場なんかは日陰が少なくあまり涼しくはなかったものの、下を覗けば肝が冷えることは間違いなし。相当な高さだ。
湖、ダム——川。相模川の河川敷にはテントが、浅瀬には釣り人が並ぶ。アユ釣りなのだろうか。水に浸かりながら待つのは大変そうだけど、きっと楽しいのだろう。
川の一部では橋梁の工事が進められている。なんでもここをリニアが走るらしい。
橋本へと続くこの路線は住んでいる間に完成するだろうか……そんなことを考える間もなく、私は街を後にしてしまった。

時々ふとこの街を思い出し、郷愁に駆られる。その度帰りたくなるような衝動をグッと堪える。
いつかリニアが開通したときもう一度、この地に訪れたい。そして再びあの景色を見るため、自転車を駆るのだ。

推し地域= 相模原市緑区

「リニアが通っても、この景色は変わらない。」

ぜひあなたも自分の”推し”地域を想い、言葉にしてみるのはいかがでしょうか!

次回第8弾もお楽しみに!


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