若い世代が「これなら行きたい!」と思える地域体験をかたちにするため、長野県木曽郡を舞台にした1泊2日のツアープランコンテストの受賞者プレゼンイベントを開催しました!
開催背景
2025年8-9月に、アイデアコンテストプラットフォーム「FLASPO」にて、木曽広域連合主催「若者むけ 長野県木曽郡 地域体験ツアープランコンテスト」 を開催。
木曽郡は、歴史・自然・文化が折り重なる魅力ある地域でありながら、若年層にとっては「どう楽しむ?」「どう関わる?」がまだ掴みにくい場所でもあります。
今回のコンテストは、その課題に正面から向き合う試みとして、約50名の方にご応募いただきました。
本イベントは、選ばれた受賞者6組が、長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」に集結し、受賞したプランをプレゼンするイベントとして実施!
そして、このうち上位3組が、自らのプランを実際に木曽郡現地で体験し、さらに磨き上げるプログラムへ無料で招待されます!
どのようなプランが発表され、誰が次に進んだのか、プレゼンイベント当日の様子と、プランの内容をご紹介します!
プレゼンイベント当日の様子
イベントは、15:30の開場と交流タイムからスタート!
会場には審査員、木曽地域の関係者、長野県庁、学生・若手社会人など、約40人の多様な参加者が集まりました。
会場後ろには、木曽郡の水やおやき、長野各地のりんごジュースが並び、和やかな雰囲気で始まりました。
なお、今回のプレゼンイベントの審査員として、関係人口創出のプロフェッショナルである以下の3名にご担当いただきました。
・地域とつながるプラットフォーム「スマウト」ディレクター 小川功毅さん
・長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センター地域コーディネーター 北埜航太さん
・東京大学大学院工学系研究科特任助教 新雄太さん
6組のコンテスト受賞者によるプレゼン
今回のコンテストでは、参加者のみなさんに
・プランのテーマや背景、具体的な1泊2日の行程、木曽との継続的な関わりを生み出す方法、実現に向けた工夫や懸念点
などについて、プランを練り上げていただきました。
ここからは、「概要」「旅の流れ」「参加者に感じてほしいこと」の3つの切り口で、受賞プランと発表の様子をご紹介!
①【KISO Bio-Sense Lab.】見えない機能を見える価値へ。木曽ヒノキの香りが持つ科学を解き明かす未来共創キャンプ
(永澤侑也さん・永野舜也さん)
概要
香り成分の効能を学びつつ、森でのレクチャー、木製ディフューザーの試作、ブランドの“設計図”づくりまで取り組む2日間のプログラムとして紹介されました。木曽全体をフィールドラボに見立て、地域のプレイヤーと共に価値の源泉を探っていく構成になっているのが特徴です。
旅の流れ
1日目は、林業家から間伐材の課題や香り成分の効能を学び、若手木地師と協働で“香りのプロダクト”を試作する時間が設けられていました。夜はゲストハウスで地域コーディネーターや木工家と対話し、商品のストーリーを形にしていく。
2日目は妻籠宿でフィールドワークを行い、旅の終盤にはブランド立ち上げの設計図を地域メンターへ提案。
(詳細のプランは以下で公開中!)
②心と身体を“木”で調律する。五感で感じるリトリートin木曽
(若木裕史さん・大友和泉さん)
概要
平日は終電で帰るような忙しい都市生活者が、木曽の森・水・食に浸りながら、心と身体を“木”で整える1泊2日のリトリートプラン。サウナや森林浴、地元の人との語らいを通じて、いつの間にか失っていた「自分と向き合う時間」を取り戻す旅として構成されています。
旅の流れ
1日目は新宿から木曽福島へ向かい、バスでゲストハウス「matarihouse」近くの山へ。地元講師と一緒に森に入り、「木の声を聞くワークショップ」で一本の木とじっくり向き合う時間をとります。
その後、人気店「とちの屋」で蕎麦ランチを味わい、木曽ヒノキをふんだんに使った「こもれびサウナ」で“ととのう”ひとときへ。
夜はmatarihouseにチェックインし、地元の方々との夕食&交流会、焚き火を囲んだ時間を過ごす流れです。
2日目はレンタカーで名勝「寝覚の床」へ。浦島太郎伝説の残る雄大な景観を歩いたあと、南木曽・妻籠宿へ移動し、江戸情緒あふれる町並みを散策。五平餅やおやきなどの食べ歩きも楽しみつつ、夕方に飯田から高速バスで新宿へ戻る行程。
③「山ありて木曽あり」〜自然と共に歴史を紡いできたもうひとつの木曽谷を探る〜
(黒澤怜良さん・西村俊亮さん)
概要
妻籠宿や馬籠宿といった“定番の木曽”から視点を少しずらすことで見えてくる、「もうひとつの木曽谷」を辿るプランとして紹介。御嶽山麓や国有林、ダムや林業の現場などを巡りながら、豊かな恵みと厳しい災害、その両方と向き合ってきた木曽の歴史に触れていく構成。
旅の流れ
旅の核となるのは、信仰の山・御嶽山をはじめとした山岳景観と、その麓で営まれてきた暮らし。御嶽信仰の痕跡を辿り、ダムや用水路など水資源を活かしたインフラの役割を知り、さらに木曽ヒノキを支えてきた林業の歴史にも触れていきます。
発表の中では、かつて乱伐によって山が荒れ、「木一本首一本」と言われるほどの厳しい保護政策のもとで、持続可能な利用を模索してきた木曽の歴史にも触れられていました。その歩みを現地でなぞることで、今語られている“サステナビリティ”の原型のようなものが立ち上がってくる、という視点が提示されていました。
④時を越えて出会う木曽。歴史と人のつながりが、体験者を作り手に。
(中富祐希さん・三橋桐璃さん・穂刈さくらさん・藤巻大飛さん)
概要
「タイムスリップ」をテーマに、江戸時代の宿場町から現代のゲストハウス、木曽馬が暮らす高原まで、時代のレイヤーを行き来するように木曽を巡るプランです。
ただ“見学する”だけではなく、ゲストハウス開業準備やおもちゃ美術館のボランティアなど、旅人が少しずつ“地域の作り手側”に回っていくプロセスが組み込まれているのが特徴です。
旅の流れ
1日目は東京を出発し、大桑村「珈琲刀」へ。
カフェでランチを楽しみつつ、開業準備中のゲストハウスの清掃や案内文のチェックなど、マイクロボランティアとして手伝います。
その後、妻籠宿へ移動し、案内人のガイド付きで町並み保存の話を聞きながら散策。夜はHostel結い庵に宿泊し、ホストや地元の人たちと夕食を共にします。
2日目は、上松町の「寝覚の床」で浦島太郎伝説の残る景観を散策し、木曽おもちゃ美術館で五平餅づくり体験と学芸員制度の説明を受けます。
午後は開田高原の「木曽馬の里」で木曽馬とのふれあいやそば打ち体験を楽しみ、夕方に木曽福島駅から帰路につく流れが紹介されました。
⑤#KisoTrip〜映える・自慢できる木曽体験コース〜(川浪大輝さん)

概要
「映える」を真正面からテーマに据えた、SNS世代のためのフォトジェニック木曽旅。
古い町並み、深い森、開田高原の草原と木曽馬——ビジュアルの強いスポットをつなぎながら、“撮って楽しい・見せて楽しい・語って楽しい”2日間をデザインしている点が特徴的でした。
旅の流れ
1日目は南木曽駅から妻籠宿へ。
蕎麦や郷土弁当のランチを楽しんだあと、格子窓や石畳、暖簾などをめぐるフォトスポット散策へ。
続いて上松町・赤沢自然休養林に向かい、森林鉄道に乗ってヒノキ林の中へ入ります。木漏れ日の逆光ショットや、木工ワークショップでの手元クローズアップなど、「映える」構図を意識しながら撮影していきます。
夜は木曽町の古民家ゲストハウスに泊まり、焚き火やミニライブ、作品の見せ合い&SNS投稿タイムで1日を振り返る流れでした。
2日目は開田高原へ。
朝焼けの草原や木曽馬とのツーショットを狙ったフォトセッションのあと、そば打ち体験で“動きのある”写真や動画を撮影。
高原カフェでのんびりテーブルフォトを楽しみ、最後は木製小物や刻印箸をお土産に、木曽福島駅から帰路につく構成です。
⑥食べて何を感じる?食体験型「味噌玉ツーリズム」
(山野辺羽那さん)
.jpeg)
概要
戦国時代から続く携帯食「味噌玉」を軸に、木曽の発酵文化と宿場町の歴史を“食べながら学ぶ”ツアーとして構成されていました。
自分で染めた手ぬぐいに味噌玉を包み、出汁湯スポットで味噌汁にしていただく——そんなユニークな仕掛けを通じて、「同じ時代に作られていたものを今、自分も食べる」感覚を味わいます。
旅の流れ
1日目は木曽福島駅から王滝村へ向かい、どんぐり染め体験でオリジナル手ぬぐいを制作。その後、素泊まりゲストハウス「王滝横丁」にチェックインし、大衆酒bar常八で地元の方も交えた交流パーティを開催します。
2日目は木曽町・小池糀店で味噌蔵見学と味噌玉づくりワークショップを実施。
自分で作った味噌玉を、1日目に染めた手ぬぐいで風呂敷包みにして持ち歩きます。午後は南木曽・妻籠宿へ移動し、町中に点在する「出汁湯スポット」で味噌玉にお湯を注いでもらい、一休みしながら味噌汁を味わうというミニアクティビティを楽しむ構成でした。
プレゼンコンテスト結果発表
今回プレゼンいただいた6組について、審査員の方々に以下の評価基準で点数をつけていただき、上位3組が選ばれました。
- 独自性:あなた自身の好みと地域の魅力を掛け合わせた独自の発想か
- 地域活用力:木曽の地域資源(自然・文化・人など)を効果的に取り入れているか
- 実現可能性:日程や移動手段、費用などの面から実現できる内容か
- 関係継続性:訪問後も再訪や継続的な関与につながる要素が含まれているか
いずれのプランも評価が拮抗する、レベルの高いコンテストとなりましたが、その中で選ばれたのは次の3チームでした。
おめでとうございます!
第1位(最優秀賞)
食べて何を感じる?食体験型「味噌玉ツーリズム」
(山野辺羽那さん)
第2位(審査員特別賞)
時を越えて出会う木曽。歴史と人のつながりが、体験者を作り手に。
(中富祐希さん・三橋桐璃さん・穂刈さくらさん・藤巻大飛さん)
第3位(審査員特別賞)
【KISOBio-SenseLab.】見えない機能を見える価値へ。木曽ヒノキの香りが持つ科学を解き明かす未来共創キャンプ
(永澤侑也さん・永野舜也さん)
この3チームには、今回のプランをさらにブラッシュアップし、実際に自分たちで1泊2日の木曽でのツアーを体験していただく予定です。
まとめ(今後の展開への期待)
この6組の中から選ばれた上位3組は、今後、実際に木曽を訪れながら地域の方々と交流し、現地フィールドを用いてプランのブラッシュアップに取り組みます。
今回のプレゼンはゴールではなく、“ここから本格的に企画が動き出すためのスタートライン”という位置づけです。
これからの木曽を舞台にした新しい地域体験づくりの進化を、ぜひ楽しみにしていてください。
<イベント概要>
・タイトル:長野県木曽郡を巡る!地域体験プランコンテスト受賞者プレゼンイベント
・開催日程:2025/10/23
・主催:木曽広域連合
・運営:学生コミュニティ「結の芽」、株式会社吉田正樹事務所、株式会社FLASPO
・協力:Rural Labo




-e1763297928248.jpeg)
-e1763298077614.jpeg)
-e1763298156825.jpeg)



-e1763298488352.jpeg)
-e1763298542878.jpeg)

-e1763298617369.jpeg)
-e1763298632634.jpeg)






